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高森明勅
2024.7.20 15:37皇室

敬宮殿下が4歳の頃のお優しさとご聡明さ

私には4歳の孫娘がいる。
それに結び付けるのは畏れ多いが、
敬宮殿下の4歳の頃を振り返ってみたい。

平成18年の天皇陛下(当時は皇太子)の
お誕生日に際しての記者会見から。

「愛子も4歳を迎え、今年の4月からは
学習院幼稚園に通うことになりました。…
最近は、いろはガルタや神経衰弱などをよくやっており、
正月には餅つきやカルタ、凧揚げ、コマ回しなど
昨年に引き続き行いました。
愛子にも日本の良き遊びを経験してもらうことが
できたと思います。

昨年は、菜園で野菜を育てることを通して、
植物の成長を見守ることや収穫の喜びを
体験できたように思います。
ともかく毎日、水やりに菜園に行っていることに
感心しました。
今はイチゴが採れるのを楽しみにしています。
菜園で収穫したものは両陛下(上皇·上皇后両陛下)の所に
お持ちしたり、あるいは友達にあげたりして、
みんなと分けることも楽しんでいるようです」

「私たちや周囲への心遣いもかいま見ることがあります。
雅子が昨年の12月の誕生日の夕方に風邪で寝込んだ時も、
その前に自分が風邪をひいたときに
よくしてもらっていたので、という意味のことを
言って雅子の寝室にバースデーケーキを持って
見舞いに行ったり、『こどもの城』で、
年下のお子さんに『愛ちゃんができないときに
だれだれがしてくれたから』と言いながら
手を貸したりすることがあるようです。
ちなみに、今年の元旦に御所に上がる折に、
門の所で一般の方や記者の皆さんが立っているのを
見て『みんな寒い所に立っているからわんちゃんの
手を振ってあげるの』と言っていたようです」
(当時は愛犬の「ピッピ」と「まり」を飼っておられた)

「大相撲にもとても興味を持っており、
私たちや職員と相撲を取るときに相撲の技を
再現したりしています。
また、相撲の本の力士の四股名(しこな)に
付けられた振り仮名の部分を読んで、
力士の上の名前と下の名前をよく覚えています。
例えば横綱朝青龍であれば朝青龍明徳というようにです。
それを平仮名で書いたりもしています。
力士の名前については正直私もかなりません。
また、相撲をテレビ観戦しながら
『だれだれに、星がついたよ、うれしいな』と
七五調の文を作るなどしています。
子供の好奇心や子供らしいユーモアを大切にしながら、
意欲や自主性を大切に見守っていきたいと思っています」

「一方、4歳という時期は、自己主張も強くなる時期と
聞いておりますが、社会のルールやマナーは大切ですので、
徐々に教えて、身に付けていってもらうことが
大切であるという考えています」

「外出なども外の世界を知る良い機会と
なっていると思います。
また、東宮御所へお客様が来られた時も
ご挨拶に出る機会も多くなりました。
度々、御所へうかがうこともありますが、
大変楽しみにしているようです。
幼稚園入園まで間もないですが、それまでの時期を
大切にし、なるべくいろいろな経験を
させてやりたいと思っています」

ちなみに皇后陛下(当時は皇太子妃)が
「適用障害」と発表されたのは、この2年ほど前のことだった
(平成16年7月)。
この年の歌会始のお題は「笑み」で、
次のような和歌を詠んでおられた。

天皇陛下

いとけなき
吾子(あこ)の笑まひに
いやされつ
子らの安けき
世をねがふなり

皇后陛下

輪の中の
ひとり笑へば
またひとり
幼なの笑ひ
ひろがりてゆく

【高森明勅公式サイト】
https://www.a-takamori.com/

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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